物覚えもっと雑記帳

思考整理の為の超個人的な場所 ほぼ絵の話 一部noteにも転載

上手い絵への感心どころが変わった

※別ブログから移動してきた記事です。

最近よく思うのが、近年の漫画アニメ的な絵の「画力」って、本人のデッサン力はもうそれほど関係無い(必要ない)かもなということ。

デッサン力というと広く曖昧なのでもう少し具体的に絞って書くと、「見るものを正確に捉え描き表す」力。以下でも大体その意味だと思って下さい。それとリアル寄りの絵ではなく、あくまでアニメ漫画的なデフォルメされた絵の話。

 

さて、なぜそう思うのかというと、近年は3Dや写真を下絵にすることがかなり容易になっているから。

昔はフリーの写真素材なども圧倒的に少なく、資料を集めるのにも今より苦労がいった。どうしても上手く(正確に)描くには、デッサン、模写の能力みたいなのが重要だった。しかし下絵や補助になるような素材が用意できるなら、その力はあまり必要無い。正確には上手く線画に描き起こす能力なども要るけど。

たとえば顔パーツの配置や体のバランスは、良い3Dモデルを下書きに出来ればそこまで大きく狂ってしまうことはない。多分デッサン力が多少ある程度の人がソラで描くよりも、3Dや写真を下書きにして描く方が正確・自然になる確率は高い。

なので少なくとも絵の正確性においては、多少のデッサン力より、「良い資料や素材を手に入れ、それを上手く使う力」が長けている方が今は有利だと思う。

 

このおかげで(正確性や自然さという点での)画力が凄い漫画アニメ絵(を描く人)への感動も、自分の中で焦点が変わってきた。

以前はなんて見る目が洗練されているのだろう、どれほど訓練を積んできた(描いてきた)のだろうと思っていたのが、今は資料や講座類を含め膨大なリソースがある中でより良いものを選び抜く力と、それを効率良く再現する能力の高さに感服するようになった。

勿論その人が素材を使っているかどうかは関係なく、デッサン力もある人でも、結局のところ後者の能力が今の絵描きには肝心だと思うようになったということだ。

 

 

ところで、私はトレースどころかアタリ程度を下敷きにして描くのも結構悔しくなるし、あんまり面白くないと感じてしまう。やっぱり私は自分の目を頼りに描き表すのが好きで、自分の描く楽しさや描きがいはその辺りに偏っているんだなと思う。

 

しかしデッサン力はそんなに高くないまま長年伸び悩んでいるので、世の中の絵描きにどんどん置いて行かれていってる気がしてならず、このまま追いつけずにちょっと描ける人のままで終わるのかなあ…と考えることもかなり増えた。悲しい。もっと努力出来たら良いのに…(出来ない)。