物覚えもっと雑記帳

思考整理の為の超個人的な場所 ほぼ絵の話 一部noteにも転載

美大コンプレックスと今

私は美大や絵の学校に通っている・いた人に対して、昔からかなり強めのコンプレックスを持っていました。それはここ数年までは年々強くなる一方だったのですが、多分1年くらい前から急に薄れていきました。

 

美大コンプがあることは他人に気軽に話しつつも、理由の説明は面倒で大抵は「本気になったのが遅くて機会を逃して〜」などと言っていますが、正確に言うと違います。絵を学びたいと思った時期が遅かったからでも、ましてや受験に失敗したなどでもなく、高校時代から憧れは持っていたけど、家族との進路相談で家族の問題により進学を諦めるように泣かれる事件があり、それを期に諦めたという過去があるからです。

 

今思うと本当に行きたかったなら全然やりようはあったと思うし、全く問題なくOKを出されたところで臆病だから安牌を取って進まなかっただろうとも思うし、結局のところそれを都合の良い言い訳にして挑戦する事を放棄しただけだったんだと思います。

 

それでも選択肢が無くなったという経験と、それに比べて特に苦も無く選択が出来た人と、苦があっても頑張って選び取れた人が、心底羨ましくて眩しくて、それこそがコンプレックスの要因だったんですよね。

 

進学せずに運良く待遇の良い会社に入れて、それからずっと金銭・時間・精神的に余裕のある気ままな生活を送れているので、結果的にこの選択は大正解だったとは思っているんですが。

 

でもやっぱり単純にちゃんと学校で学んでみたかったというのもあるし(美大は無理でもお金でどうにかなる専門とかでも…)、それで上手くなりたかったし、もしかしたら何かしらの絵に関する仕事に就いて一日中絵を描いていられる事になって、今よりずっと上手くなれていたかもしれない…という甘い空想もありました。というか今でもあります 笑。

 

少し逸れますが、絵を仕事にすることについて。能力の有無は一旦置いといて…。私は別に自分の作品を自分の成果として広く他者に届けたい(商業ベースに乗せたい)みたいな欲は無いし、仕事なら仕事で上手くなる為の糧として割り切れるだろう…と自分では思っています。仕事では描きたいものが描けないなんて悩みもよく聞くけど、ずーっと平日の大半は絵を描く事すら出来ない生活を送ってきているから、仕事の時間でどんな絵であっても「描くこと」が出来ること自体、私にとってはかなり贅沢なんです。

 

今やってる絵画の活動はどうしても絵を通して自分が主体になってしまいがちなので、それらを含めて見ると、他人の目からは拘りが強くて仕事としてやるのは無理に見えるんだろうけど。実際そういう性質だから絵画であってもそもそもギャラリー契約みたいな形の仕事には興味さえ持てずにきてるし、だからお客様と直にやりとりする依頼形式のルートにだけは心惹かれたんですよね。

 

今年の頭にSkebでコミッションを数件やりましたが、今まではこういう他者の要望に応えるみたいなやつって絶っ対向かない!と思っていたのに、むしろ案外合っていたってのもありましたね。私には表現したいものが無くて、ただただ描くのが好きなだけだから、ある意味お題があるものが向いてるのかも。

 

ただそれも、あくまで「自由に描く時間が確保出来ていれば」の話ですが…。基本的には好きなものを好きなように描いていたいんです。(なお絵画の公募類は実力図りと挑戦と自信欲しさと、何よりミーハー心…好きな画家と同じとこに並びたいとか好きな画家が審査員やってるからとか…の目的でやっています…。)

 

冒頭のコンプの話に戻りますが、どうして急に薄れてきたのかと言うと、まず絵画方面で実力のある人々に評価を貰えてきているから。それと学校を出た人よりも評価を貰えることも実際あって、実力的な意味での劣等感も薄れてきているから。

そして何よりも、「今まさに学びたいことを学びに行けているから」。というのも去年の夏から毎週日曜にアート教室に通い始めまして。スクールではないし、アドバイスをくれる講師はいても基本は自由に描く趣味目的の場所ですが、それでも今一番上手くなりたいものをピンポイントで、尊敬する画家さんに教えてもらっているから(この方が講師だから飛びついた…ミーハー…)。

 

かなりの周回遅れでほんの少しずつだけど、学びたかったことを手に出来ているので、選択できなかった・学びたかったという気持ちが少しずつ成仏しているんだと思います。普通の人が学べる若い時期に出来なかったのはやっぱり今でも悲しいけど、それでも今楽な生活をしながら金銭の心配もせずに悠々自適に出来ているのは本当に恵まれているし、これで良かったよな…と前より思えてきています。

 

でも正直やっぱり日中仕事の時間にも絵を描ける生活は心底羨ましい!通勤+仕事にあたる約10時間(昼休み1時間除く・早出残業一切無しだけど通勤時間が…)をずっと絵に関することに充てられたらもっと上手くなれるかもしれないのに、例え実際に手を動かさなくてもそれに繋がる事を出来るだけでプラスになるだろうに、という羨ましさは強くありますし、今度はそういう生活をして上手くなっていけている人に対するコンプレックスがムクムクと…笑。

 

少なくとも急に今と同じくらい絵で稼ぐのは自分の能力や気質を踏まえるとまず無理ですし(全然高給取りではないですが!)、日常のリズムや収入が不安定になることこそ精神的に絶対向いていないので…無いものねだりですね。

 

今出来ることは、空いている時間を目一杯費やして極力真剣に取り組んでいくこと、ちゃんと上手くなるようお金をかけても効率良く学んでいくことかなと思います。今の自分の絵に全然満足できてないし心底一刻も早く上手くなりたい!